ただし、アイドラ・テンションの場合
は歯底の中央で当ります。
正常な嚙合いは、当り状態が図 A の
ように均一で、
図 B のように一方に
かたよった状態であればスプロケッ
ト取付けの芯出しが不十分か、また
はチェーンが振れているなどの原因
があるため、再
点検をしてください。
当りの位置は、歯底 ( 谷)から少し
上の部分が正常です。
D
D1
両軸間距離
1m 以下
1m ~ 10m
10m 以上
δ:ずれの値 mm
δ
C
ローラ
L1
L2
1. スプロケットの取付
スプロケットを軸に取り付ける場合は、下図のように両軸の距離 D が
同じで、水平でなくてはなりません。そして、両スプロケットの側面
にストレートエッジを当てて、側面が同一平面になるように調節して
ください。
・水準器での軸の水平度は、±1/300mm を目安に調整して下さい。
・両面の平行度は、(D-D
1
)/3
00=±1/300mm を目安に調整して
ください。
・スプロケット端面のずれは、下記の表ようにしてください。
2. 張りの調整
チェーンの張りは、強くなりすぎないように適切な弛みを持たせる必
要があります。チェーンを強く張りすぎるとチェーンの摩耗が促進さ
れ、弛みを持たせすぎるとスプロケット部で歯飛びの原因になります。
チェーンは、当初のなじむまでの初期伸びと、ピンとブシュの摩耗に
より生じる定常伸びがあり、適宜張りの調整を行う必要があります。
±1
± D/1000
±10
3. 点検
◆運転状況を目視でチェックし、異常がないか確認
1. 異常な騒音がないか。
2. チェーンが振動していないか。
3. チェーンがスプロケットに乗り上げていないか。
4. チェーンがスプロケットに巻きついていないか。
5. チェーンの屈曲が固いところがないか。
6. 給油状況は適正か。
7. チェーンがケースに当たっていないか。
◆運転を止めて点検
1.
チェーンの外観を見て、汚れ、腐食、給油状況、プレートの内面
や端面、ピン端面やローラ外径のキズや打痕など異常の有無を
調べる。
2. スプロケットの歯面と歯側面のキズやあたりを見る。
3. チェーンの屈曲、ローラの回転不良を調べる。
4. ピンが回転していないかを調べる。
5. トッププレート等の脱落や破損がないかを調べる。
6. ガイドレールの過大な摩耗がないかを調べる。
7. 必要に応じて部品のキズやクラックを調べる。
8. 必要に応じて継手ピンを外し、摩耗状況をしらべる。
9. チェーンの摩耗伸びを測定する。
チェーンの伸び測定
チェーン全体のガタを除くため、ある程度チェーンを張った状態で
点検します。使用限界は歯数により変わりますが、予防的には基準
長さに対して 1.5% の伸びを限度とします。
・6 ~ 10 リンク程度で測定してください。
・測定長さ=(L1+L2)÷2
・基準長さ=チェーンピッチ × リンク数
・伸び=(測定長さ - 基準長さ)÷ 基準長さ ×100
スプロケットの点検
A
B
グラインダーで削る
プラプレート
ポンチ
チェーンバイス
プラプレート
60°
進行方向
1. チェーンの切断
1.1 リベット形チェーンを切断する場合、同一リンクのピン 2 本の端
部をプレートと同一面になるまでグラインダーで削ります。
※リベット部分を削らずにピンを抜くと手間がかかり、チェーン
をいためたりします。
割りピン形チェーンの場合は、割りピンを抜きます。
(ピンを削る必要はありません)
1.2 チェーンバイス等を利用してプラプレート部に負荷がかからない
様に注意してチェーンを固定します。チェーンサイズに合ったポ
ンチを削ったピン ( または割りピンを抜いたピン)の頭に当て、
ハンマーでたたいてください。この際、2本のピンの頭を交互に
たたいて平行に抜けるようにしてください。
※ピンを抜いた部分のブシュが抜けていないか、または部品が変
形していないかを確認してください。ブシュの抜けや部品の変
形が確認された場合その部品は使用しないでください。
※取り外した部品は再使用しないでください。
2. チェーンの連結
2.1 チェーンを連結するときはスプロケットを利用すると便利です。
スプロケットにチェーンの両端が来るように巻き付け、プラプレ
ートを組み込んだ継手リンクをチェーン両端のブシュ穴に挿入し
ます。プラプレートと継手プレートを合わせ入れ、割りピン(ま
たはクリップ)で止めます。
※プラプレートには方向がありますので、前後のリンクの向きに
合わせて組み込んでください。
2.2 割りピンの開き角度は60°程度にします。
※割りピンは再使用しないでください。
クリップは継手リンクの 2 本のピンの溝に確実に挿入します。ク
リップを拡げすぎると正しく挿入できず脱落します。クリップの
取り付け方向は一般的に、進行方向に対してクリップの開き口が
反対にくるように止めます。
据付・点検
PLT 切り継ぎ要領
(同じ要領で他の品種の切り継ぎも可能です。)
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